お隣の事情♪

sarasa1232005-03-22

 朝、今にも泣き出しそうな天候だったので、ムックを急いで散歩に連れ出そうとしていたら、お隣のご主人が愛犬の柴のジン君を連れ、庭の手入れをしていた。
とても物静かな方で、いつも静かに外に出て煙草を吸われている。
無愛想で寡黙なかんじだけど、話しかけると、無口というわけではなく静かに淡々と話される。特に愛犬ジンのことや、園芸についてはにこにこしながら話が弾む。
この、ご主人1ヶ月ほど前に、心筋梗塞で入院されてたので、「もうよろしいのですか?
一緒に入院されたおばあちゃんはまだ、病院ですか?」とおききすると、
一瞬とまどわれた様子でそのあと「死にました。」といわれた。

あまりに突然のことでわたしも気が動転してしまい、返す言葉に詰まった。
ご主人が心筋梗塞で救急車ではこばれたあとすぐ後を追うように同じ病院に脳梗塞で運ばれたのち、ご主人の退院を待つようにしずかに息をひきとられたらしい。

東京におばあちゃまのご主人のお墓も家もそのままなので、その日のうちに、東京まで
搬送され、葬儀もすましてきたとのこと。

このお婆ちゃまがお隣に同居されたのは半年前の夏。
玄関近くの和室の網戸だけの窓際の背もたれ椅子にいつもすわられていた。
テレビをみるでもなくたまに、回覧板や、和菓子のお裾分けをもっていくと、玄関のチャイムのなるほうに表情もなく目をうつして軽くうなずくだけだった。

ここの奥さんはとてもさっぱりとした性格のかたで、別に愛想も言わないがいつも本音でしゃべられるようなつきあいやすい方。うちの庭のヤマモモの木の枝がのびすぎてると
「枝じゃまだから通るとこだけ切らしてもらったよ。ごめんね。」と率直にはっきり言ってくださるので反対に助かってる。
おばあちゃまにも、「ちゃんとリハビリしないと、困るのはじぶんだからね。」といって、
家でも、デイケアでも積極的に動くようにうながされていた。
玄関までのアプローチもてすりをつけたりお風呂場もすわってシャーワーできるように工夫されたりよくなさってた。

「東京での葬儀では、昔からのおともだちが杖をつきながら、たくさんきてくれた。
母はここに連れてきてほんとうによかったのかな?東京でいたほうがもっと長生きできたんじゃないかな?」
と、言われるご主人に「いやあ最後の半年間息子さんや家族に囲まれ生活できてよかったんじゃあないですか?」としかわたしは返答できなかった。