わが母の記

井上靖原作の映画を見てきました。

なんといっても母親八重役を扮する樹木希林の演技が圧巻でした。

幼いころ一人曾祖父の妾の家で育てられた洪作は、母に捨てられたという
思いを抱いて生きてきたが、母親の認知症の発症をきっかけに
真実を知ることになり、誤解や母との確執が次第に溶けていく。

この映画の中で、小説家一家が洪作を除いて、妻と三姉妹という
女性ばかりであることから、その女同士のたわいないおしゃべりや
所作が華やかさとともに、掛け合いのテンポの良さが
見ていて自分と共感できるところがあり楽しかった。

また、映画の中で流れる音楽がショパンやバッハなどのクラッシック
の曲が流れてくるところに、この映画をこじゃれた品性を感じて心地よかった。

いつの時代でも同じ介護の大変さを痛感するとともに、私も母の介護を
7年間もしてくれた姉に改めて感謝の思いを感じずにはいられない。

そして、頭が壊れていく母が、だんだんと子どもになっていく様を
見ながら、ちょっと笑いながらも悲しく愛おしい思いで、スクリーンの
樹木希林の演技の素晴らしさとともに、亡き母の姿がだぶって見えた。。。。

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